コンセプトは「天然石に寄り添うデザイン」

私は9才の頃、アメリカのミネラルショー（鉱物の展示販売会）で天然石と出会ったのが、全ての始まりでした。
お小遣いとして10ドルだけ手渡されて、最初に買った石のことは、今でも鮮明に記憶に残っています。
大切に家に持ち帰ってから、ずっと石を眺めて、考え続けたこと。
「いつまでも手元で石を愛でるにはどうしたらいいだろう？」という微かな思いは、大人になってからジュエリーアーティストを目指す強い動機になりました。

「Lenia（レニア）」というブランドネームは、ミネラルショーと出会ったシアトルのレーニア山（Mount Rainier）と、当時お世話になったホストファミリーの頭文字の「L」から着想を得て名付けられたものです。

私は、私自身が石の魅力を目一杯楽しむために、ジュエリーを独学で学び始めました。そのため、一般的なジュエリーに関する知識やセオリーにとらわれることなく、「石が主役である」という一点についてのみ、技術と感性を磨き続けました。

デザインする際に大切にしていることも一貫しています。石をジュエリーのための素材として考えるのではなく、あくまで「主役は石」であること。そして、石を愛でながら観察し、石が一番輝くために、「デザインは前に出過ぎず、脇役としての立ち位置に徹する」ことです。あと、長い時間石を楽しむためには、「着け心地」も欠かせません。

私は、天然石の持つ自然な風合いや、不揃いな形も大切な「個性」と考えています。そのため、石をジュエリーに馴染むように再カットしたり、発色を良くするための加工などはできるだけ行わず、一点一点、石を手に入れた時の状態にあわせて、オリジナルデザインでジュエリーを製作しています。
完成までにとても時間がかかり、量産もできない方法（※）ですが、「ジュエリーのために石を加工する」のではなく、「石のためにジュエリーを整えていく」というデザインコンセプトを、Leniaでは大切にしています。

※2024年より一部シリーズにおいて、量産可能なモデル展開を開始しております。